世の中 に た えて 桜の な かり せ ば 春の 心 は のどけから まし - 伊勢物語 82段:渚の院 あらすじ・原文・現代語訳

春の ば 心 な 世の中 は に まし せ えて かり た 桜の のどけから 世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし(在原業平): 古典・詩歌鑑賞(ときどき京都のことも)

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春の ば 心 な 世の中 は に まし せ えて かり た 桜の のどけから 桜を詠んだ和歌ベスト10!時代を超えて詠みつがれる魅力

桜を詠んだ和歌ベスト10!時代を超えて詠みつがれる魅力

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春の ば 心 な 世の中 は に まし せ えて かり た 桜の のどけから 世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし(在原業平): 古典・詩歌鑑賞(ときどき京都のことも)

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春の ば 心 な 世の中 は に まし せ えて かり た 桜の のどけから 宝田明が岩本蓮加(乃木坂46)を大絶賛!「大女優の片鱗が見えました!」

春の ば 心 な 世の中 は に まし せ えて かり た 桜の のどけから 【春の短歌30選】有名な春の短歌(和歌)一覧 名作短歌の作者・意味とは?

世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからましー櫻坂46渡邉理佐卒業発表

花びらを雪に見立てる 桜ちる 花の所は 春ながら 雪ぞふりつつ きえがてにする(75) 承均 そうく法師 【現代語訳】桜の花の散っている所は、春でありながら雪がちらちらと降りながら、しかも消えがたいようである。 ーーーーー 【 世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし】(古今集春歌上、53) (よのなかにたえてさくらのなかりせばはるのこころはのどけからまし) 意訳: この世の中にまったく桜の花というものがなかったならば、春を迎える気持ちは、さぞかしのどかなものであったろうに…。 ㉔『この里に 手鞠つきつつ 子どもらと 遊ぶ春日は 暮れずともよし』 作者:良寛 意味:長い春の日もそろそろ暮れようとしている。 是貞親王の家の歌合の歌 紀友則 0270 露ながら折りてかざさん菊の花老いせぬ秋の久しかるべく (0428) 寛平御時后宮の歌合の歌 大江千里 0271 植ゑし時花まちどほにありし菊うつろふ秋にあはんとやみし (0430) 同じ御時せられける菊合に、州浜をつくりて菊の花植ゑたりけるに、くはへたりける歌 吹上の浜のかたに菊植ゑたりけるをよめる 0272 秋風の吹上に立てる白菊は花かあらぬか浪の寄するか (0432) 仙宮に菊を分けて人の到れる 形 かた かきたるをよめる 素性法師 0273 濡れて干す山路の菊の露の間にいつか千年を我は経にけん (0624) 菊の花のもとにて、人のひと待てるかたをよめる 友則 0274 花見つつ人待つ時は白妙の袖かとのみぞあやまたれける (0431) 白菊の花をよめる 凡河内躬恒 0277 心あてに折らばや折らん初霜の置きまどはせる白菊の花 (0435) 題しらず 読人しらず 0283 立田川紅葉みだれて流るめりわたらば錦中や絶えなん (0458) この歌は、ある人、の御歌也となん申す。 0960 我が身から憂き世の中と名付けつつ人のためさへ悲しかるらん (1537) 隠岐の国に流されて侍りける時によめる 篁朝臣 0961 思ひきや鄙の別れにおとろへてあまの縄たきいさりせんとは (0780) 田村の御時に事にあたりて津の国に須磨といふ所に籠り侍りけるに、宮のうちに侍りける人に遣はしける 在原行平朝臣 0962 わくらばにとふ人あらば須磨の浦に藻塩垂れつつ侘ぶと答へよ (0781 * 官 つかさ とけて侍りける時よめる 平貞文 0964 憂き世には門させりとも見えなくになどか我が身の出でがてにする (1491 0965 あり果てぬ命待つ間のほどばかり憂きことしげく思はずもがな (1541) 時なりける人のにはかに時なくなりて歎くを見て、みづからの歎きもなく喜びもなきことを思ひてよめる 清原深養父 0967 光なき谷には春もよそなれば咲きてとく散る物思ひもなし (1705) 紀利貞が阿波介にまかりける時に、むまのはなむけせんとて、今日と言ひ送れりける時に、ここかしこにまかり 歩 あり きて、夜ふくるまで見えざりければ、遣はしける 業平朝臣 0969 今ぞ知る苦しきものと人待たん里をば 離 か れずとふべかりけり (1487) 惟喬親王のもとにまかり通ひけるを、かしらおろして小野といふ所に侍りけるに、正月にとぶらはんとてまかりたりけるに、 比叡 ひえ の山の麓なりければ、雪いと深かりけり。 忍びなる所なりければ、門よりもえ入らで、垣のくづれよりかよひけるを、たびかさなりければ、あるじ聞き付けて、かの道に夜ごとに人をふせてまもらすれば、いきけれどえ逢はでのみかへりて、よみてやりける 業平朝臣 0632 人知れぬ我が通ひ路の関守は宵々ごとにうちも寝ななん (1109) 題しらず 凡河内躬恒 0636 長しとも思ひぞ果てぬ昔より逢ふ人からの秋の夜なれば (1062) 藤原国経朝臣 0638 明けぬとていまはの心つくからになど言ひ知らぬ思ひ添ふらん (1043) 人に逢ひて、あしたによみて遣はしける 業平朝臣 0644 寝ぬる夜の夢を儚みまどろめばいや儚にもなりまさるかな (1230) 題しらず 読人しらず 0647 むば玉の闇のうつつは定かなる夢にいくらも勝らざりけり (1061 0649 君が名も我が名も立てじ難波なるみつとも言ふな逢ひきとも言はじ (1144 0650 名取川瀬々の埋れ木あらはればいかにせんとか逢ひ見初めけん (1089 * 0652 恋しくは下にを思へ紫の根摺りの衣色に出づなゆめ (1143) 小野春風 0653 花すすき穂に出でて恋ひば名を惜しみ下ゆふ紐のむすぼほれつつ (1003) 橘清樹が忍びにあひ知れりける女の許より、おこせたりける 読人しらず 0654 思ふどち一人一人が恋ひ死なば誰によそへて藤衣着ん (1209) 返し 橘清樹 0655 なき恋ふる涙に袖のそほちなば脱ぎかへがてら夜こそは着め (1210) 題しらず 小町 0656 現 うつつ にはさもこそあらめ夢にさへ人目を 守 も ると見るが侘びしさ (1211 0658 夢路には足も休めず通へども現に一目見しごとはあらず (1212) 躬恒 0662 冬の池に住む鳰鳥のつれもなく底に通ふと人に知らすな (1298 0663 笹の葉に置く初霜の夜を寒みしみは付くとも色に出でめや (1299) 友則 0667 下にのみ恋ふれば苦し玉の緒の絶えて乱れん人なとがめそ (0978) 読人しらず 0669 大方は我が名もみなと漕ぎ出でなん世をうみべたにみるめ少なし (0980) 0670 枕よりまた知る人もなき恋を涙せきあへず洩らしつるかな (0981) 読人しらず 0671 風吹けば波打つ岸の松なれやねにあらはれて泣きぬべらなり (0982) この歌は、ある人のいはく、柿本人麿がなり。 乙女子が袖ふる山に 千年へて ながめにあかじ花の色香を 豊臣秀吉 咲く花を散らさじと思ふ 御吉野は心あるべき春の山風 徳川家康 秀吉と家康が吉野の千本桜を詠んだ歌です。 そして、中古語 平安時代 においては、 助動詞「き」は 自分で直接に経験したことの回想に使われていたようです。 Sponsored Links 総数3733人!? 伊勢物語に見る数々の浮名とエピソード 在原業平と言えば、「昔 男ありける」ではじまる『伊勢物語』が有名です。 心変わりを人に悟られたくない 花見れば 心さへにぞ うつりける いろにはいでじ 人もこそしれ(104) 凡河内 おほしかふちの躬恒 みつね 【現代語訳】色あせて散りがたになった花を見ていると、私の心までもついに変わってしまったよ。 潔さを愛でる まてといふに ちらでしとまる 物ならば なにを桜に 思ひまさまし(70)よみ人しらず 【現代語訳】もし、散るのを待てというと、散らないでそのままとまる物であるならば、いったい何を桜以上に思うものがあろうか。 0690 君や来ん我や行かむのいさよひに槙の板戸もささず寝にけり (1102) 素性法師 0691 今来むと言ひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな (1104) 読人しらず 0692 月夜よし夜よしと人に告げやらば 来 こ てふに似たり待たずしもあらず (1103 0694 宮城野のもとあらの小萩露を重み風を待つごと君をこそ待て (1101 0695 あな恋し今も見てしか山がつの垣ほに咲けるやまとなでしこ (1173 0696 津の国のなには思はず山城のとはに逢ひ見んことをのみこそ (0907) 貫之 0697 敷島の大和にはあらぬ 唐衣 からごろも ころも経ずして逢ふよしもがな (1033) 読人しらず 0701 天の原踏みとどろかし鳴神も思ふ中をばさくるものかは (1207 0702 梓弓ひき野のつづら末つひに我が思ふ人にことのしげけん (1208) この歌は、ある人、あめのみかど、近江の采女に給ひけるとなん申す。 世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし〜意味と現代語訳〜 〈原文〉 世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし 〈現代語訳〉 もし世の中にはまったく桜がなかったなら、春を過ごす人の心はのどかだっただろうに。 助動詞「き」と助動詞「けり」の違い 助動詞「き」は、 回想 過ぎ去ったことを振り返り、思いをめぐらすこと の心持をあらわします。 ちる花を なにかうらみむ 世の中に 我が身もともに あらむ物かは(112)よみ人しらず 【現代語訳】はかなく散る花をどうして恨むことができようか、この世の中に私自身だって、いつまでもいられはしないのであるから。 夜ふくるまで酒飲み物語して 夜が更けるまで酒を飲み雑談をして (帰してくれ~) あるじの親王ゑひて入り給ひなむとす 主宰の親王が酔って先に寝ると言い出す。 僧正遍昭 0770 我が宿は道も無きまで荒れにけりつれなき人を待つとせし間に (1434 0771 今来むといひて別れし 朝 あした より思ひくらしの音をのみぞなく (1435) 読人しらず 0775 月夜には来ぬ人待たるかき曇り雨も降らなん侘びつつも寝ん (1436 0777 来ぬ人を待つ夕暮の秋風はいかに吹けばか侘びしかるらん (1267) 仲平朝臣あひしりて侍りけるを、 離 か れがたになりにければ、父が大和守に侍りけるもとへまかるとて、よみて遣はしける 伊勢 0780 三輪の山いかに待ちみん年 経 ふ とも尋ぬる人もあらじと思へば (1343) 題しらず 0781 吹きまよふ野風を寒み秋萩のうつりもゆくか人の心の (1293) 小野小町 0782 今はとて我が身時雨にふりぬれば言の葉さへにうつろひにけり (1294) 返し 0783 人を思ふ心木の葉にあらばこそ風のまにまに散りも乱れめ (1295) 題しらず 小町 0797 色見えでうつろふものは世の中の人の心の花にぞありける (1308) 寛平御時御屏風に歌かかせ給ひける時、よみてかきける 素性法師 0802 忘れ草何をか種と思ひしはつれなき人の心なりけり (1395) 題しらず 典侍藤原直子朝臣 0807 海士のかる藻に住む虫のわれからと音をこそ泣かめ世をば恨みじ (1338) 因幡 0808 逢ひ見ぬも憂きも我が身のから衣思ひ知らずも解くる紐かな (1341) 読人しらず 0811 それをだに思ふこととて我が宿を見きとな言ひそ人の聞かくに (1424 0813 侘びはつる時さへ物の悲しきはいづこを忍ぶ涙なるらん (1422) 藤原興風 0814 恨みても泣きてもいはん方ぞなき鏡に見ゆる影ならずして (1425) 読人しらず 0817 荒小田をあらすき返し返しても人の心を見てこそ止まめ (1445 0819 葦辺より雲井を指してゆく雁のいや遠ざかる我が身悲しも (1444 0821 秋風の吹きと吹きぬる武蔵野はなべて草葉の色かはりけり (0400) 小町 0822 秋風に逢ふたのみこそ悲しけれ我が身空しくなりぬと思へば (1270) 平貞文 0823 秋風の吹き裏返す葛の葉のうらみても猶うらめしきかな (1271) 巻第十六(哀傷歌) 22首 いもうとの身まかりける時によめる 小野篁朝臣 0829 泣く涙雨と降らなんわたり川水まさりなば帰り来るがに (0642) 前太政大臣 さきのおほきおほいまうちぎみ を白川のあたりに送りける夜よめる 素性法師 0830 血の涙落ちてぞたぎつ白川は君が代までの名にこそありけれ (0643) 堀川太政大臣身まかりにける時に、深草の山にをさめてける 0831 空蝉はからを見つつも慰めつ深草の山けぶりだに立て (0644) 藤原敏行朝臣の身まかりにける時に、よみてかの家に遣はしける 紀友則 0833 寝ても見ゆ寝でも見てけり大方は空蝉の世ぞ夢にぞありける (0638) 註:大系本、第二句「ねでもみえけり」。 桜を春の形見にする さくらいろに 衣はふかく そめてきむ 花のちりなむ のちのかたみに(66) 紀 きの有 あり朋 とも 【現代語訳】濃いさくら色に着物をば染めて着よう。 散ればこそ いとゞ桜はめでたけれ 散るからこそ 一層桜は愛でて美しいもの いとど:ますます。 ㉗『春がすみ とほくながるる 西空に 入日 おほ(お)きく なりにけるかも』 作者:斎藤茂吉 意味:空には春がすみが遠くまでかかっている。 原文 男女 及び 和歌 定家本 武田本 定家系 朱雀院塗籠本 群書類従本 第82段 渚の院(の櫻) むかし、 むかし、 昔。 それがかへし、 一年に ひとたび来ます君まてば 宿かす人も あらじとぞ思ふ 紀有常、御供に仕うまつれり そこで突如出現する有常が、颯爽とお供に参じて それがかへし それが返し 一年に ひとたび来ます君まてば 一年に一回もこねーお前を待てば 宿かす人も あらじとぞ思ふ 宿かす人も さすがにいないでしょ。 うき世になにか 久しかるべき この世が憂いことは 久しいこと(普通)だろ 桜云々は関係ない。.

  • 渡し守に「これ、何鳥ぞ」と問ひければ、「これなん都鳥」と言ひけるを聞きてよめる 0411 名にし負はばいざ言問はん都鳥我が思ふ人はありやなしやと (0795) 朱雀院の奈良におはしましける時に、手向山にてよめる 菅原朝臣 0420 このたびは幣も取りあへず手向山紅葉の錦神のまにまに (0805 * 巻第十(物名) 0首 巻第十一(恋歌一) 53首 題しらず 読人しらず 0469 時鳥なくやさ月のあやめ草あやめも知らぬ恋もするかな (0991) 素性法師 0470 音にのみきくの白露夜はおきて昼は思ひにあへず 消 け ぬべし (0984) 貫之 0471 吉野川岩なみ高く行く水のはやくぞ人を思ひ初めてし (0837) 0472 白波の跡なき方にゆく舟も風ぞたよりのしるべなりける (0838) 在原元方 0473 音羽山音に聞きつつ逢坂の関のこなたに年を 経 ふ るかな (0987) 0474 立ちかへりあはれとぞ思ふよそにても人に心をおきつ白浪 (0973) 貫之 0475 世の中はかくこそありけれ吹く風の目に見ぬ人も恋しかりけり (0841) 右近の馬場のひをりの日、向ひに立てたりける車の下すだれより女の顔のほのかに見えければ、よむで遣はしける 在原業平朝臣 0476 見ずもあらず見もせぬ人の恋しくはあやなく今日やながめ暮らさん (0843) 返し 読人しらず 0477 知る知らぬ何かあやなくわきていはん思ひのみこそ 標 しるべ なりけれ (0844) 春日野の祭にまかれりける時に、物見に出でたりける女のもとに家をたづねて遣はせりける 壬生忠岑 0478 春日野の雪間を分けておひ出でくる草のはつかに見えし君はも (0850) 題しらず 元方 0480 たよりにもあらぬ思ひのあやしきは心を人に付くるなりけり (0842) 読人しらず 0483 片糸をこなたかなたに縒りかけて逢はずは何の玉の緒にせん (1021 0484 夕暮は雲のはたてに物ぞ思ふ天つ空なる人を恋ふとて (0890 0485 刈薦 かりこも の思ひ乱れて我が恋ふと妹知るらめや人し告げずは (0891 0486 つれもなき人をやねたく白露のおくとは嘆き 寝 ぬ とはしのばん (0892 0487 ちはやぶる賀茂の社の 木綿襷 ゆふだすき ひと日も君をかけぬ日はなし (0893 0488 我が恋はむなしき空に満ちぬらし思ひやれどもゆく方もなし (0894 0489 駿河なる田子の浦波たたぬ日はあれども君を恋ひぬ日はなし (0895 0490 夕づく夜さすや岡辺の松の葉のいつともわかぬ恋もするかな (0889 0495 思ひ出づる常磐の山の岩つつじ言はねばこそあれ恋しきものを (1302 0496 人知れず思へば苦しくれなゐの末摘花の色にいでなん (1001 0497 秋の野の尾花に交じり咲く花の色にや恋ひん逢ふ由をなみ (1002 0498 我が園の梅のほつ枝に鴬の音に鳴きぬべき恋もするかな (0988 0499 足引の山時鳥わがごとや君に恋ひつついねがてにする (0992 0500 夏なれば宿にふすぶる蚊遣火のいつまで我が身下燃えにせん (0993 0501 恋せじと 御手洗川 みたらしがは にせしみそぎ神はうけずぞ成りにけらしも (1242 0503 思ふには忍ぶることぞ負けにける色には出でじと思ひしものを (1024 0504 我が恋は人知るらめや敷妙の枕のみこそ知らば知るらめ (1026) 註:大系本、第一句は「わが恋を」。 説では、未然形「 せ 」と連体形「し」、已然形「しか」はサ変動詞「為 す 」に由来し、終止形「き」はカ変動詞「来 く 」に由来すると考えられています。 狩は懇にもせで かりはねむごろにもせで、 酒をのみ飲みつゝ、 さけをのみのみつゝ、 やまと歌にかゝれりけり。 狩り暮らし たなばたつめに宿からむ 天の河原に 我は来にけり 親王歌をかへすがへす誦じ給うて 返しえし給はず。 『過去・詠嘆』の助動詞「けり」 の活用は、「 けら ・〇・けり・ける・けれ・〇」と ラ変活用になります。 0867 紫の一もとゆゑに武蔵野の草はみながらあはれとぞ見る (1462) 妻 め のおとうとを持て侍りける人に、 袍 うへのきぬ を贈るとて、よみて遣りける 業平朝臣 0868 紫の色濃き時はめもはるに野なる草木ぞわかれざりける (1463) 大納言藤原国経朝臣、宰相より中納言になりける時に、染めぬ上の 袍綾 うへのきぬのあや を贈るとてよめる 近院右大臣 0869 色無しと人や見るらん昔より深き心に染めてしものを (1464) 二条后のまだ東宮の御息所と申しける時に、大原野に詣で給ひける日よめる 業平朝臣 0871 大原や小塩の山も今日こそは神代のことも思ひ出づらめ (1452) 五節の舞姫を見てよめる 良岑宗貞 0872 天つ風雲の通ひ路吹き閉じよ乙女の姿しばしとどめん (1454) 五節の朝に、かんざしの玉の落ちたりけるを見て、誰がならんととぶらひてよめる 河原左大臣 0873 ぬしや誰問へど白玉いはなくにさらばなべてやあはれと思はん (1455) 寛平の御時に、上の 侍 さぶら ひに侍りける男ども、瓶を持たせて、 后宮 きさいのみや の御方に大 御酒 みき のおろしと聞こえにたてまつりたりけるを、くら人ども笑ひて瓶をおまへに持て出でて、ともかくもいはずなりにければ、使ひの帰り来てさなんありつると言ひければ、くら人のなかに贈りける 敏行朝臣 0874 玉だれのこがめやいづらこよろぎの磯の波分け沖に出でにけり (1458) 題しらず 読人しらず 0878 我が心なぐさめかねつ更科や姨捨山に照る月を見て (1618) 業平朝臣 0879 大方は月をもめでじこれぞこの積もれば人の老いとなるもの (1596) 読人しらず 0882 天の川雲の 水脈 みを にて早ければ光とどめず月ぞながるる (1616) 惟喬親王の狩しける供にまかりて、宿りに帰りて、夜ひと夜酒をのみ物語りをしけるに、十一日の月も隠れなんとしける折に、親王ゑひてうちへ入らんとしければ、よみ侍りける 業平朝臣 0884 あかなくにまだきも月の隠るるか山の端にげて入れずもあらなん (1617) 題しらず 読人しらず 0886 石上 いそのかみ ふるから小野の本柏もとの心は忘られなくに (1493 0887 いにしへの野中の清水ぬるけれどもとの心を知る人ぞくむ (1494 0888 いにしへの 倭文 しづ のをだ巻賤しきもよきも盛りはありしものなり (1495 0890 世の中にふりぬる物は津の国の 長柄 ながら の橋と我となりけり (1496 0891 笹の葉に降り積む雪のうれを重み本くだちゆく我が盛りはも (1497 0892 大荒木の森の下草おいぬれば駒もすさめず刈る人もなし (1498 0897 とりとむる物にしあらねば年月をあはれあな憂と 過 すぐ しつるかな (1499) 、長岡に住み侍りける時に、業平宮仕へすとて時々もえまかりとぶらはず侍りければ、しはすばかりに母の皇女のもとよりとみの事とて文を持てまうで来たり。 その又の年、みな人御ぶく脱ぎて、あるはかうぶり賜はりなど、喜びけるを聞きてよめる 僧正遍昭 0847 みな人は花の衣になりぬなり苔の袂よかわきだにせよ (0651) 河原左大臣身まかりての秋、かの家のほとりをまかりけるに 近院右大臣 0848 うちつけに淋しくもあるか紅葉葉もぬし無き宿は色なかりけり (0681) 桜を植ゑてありけるに、やうやく花咲きぬべき時に、かの植ゑける人身まかりにければ、その花を見てよめる 紀茂行 0850 花よりも人こそあだになりにけれ何れを先に恋ひんとか見し (0682) 河原左大臣の身まかりて後、かの家にまかりてありけるに、塩竃といふ所のさまを造れりけるを見てよめる 貫之 0852 君まさで煙絶えにし塩竃のうらさびしくも見えわたるかな (0686) 藤原利基朝臣の右近中将にて住み侍りける曹司の、身まかりてのち、人も住まずなりにけるに、秋の夜ふけて、物よりまうで来けるついでに見入れければ、もとありし前栽いと繁く荒れたりけるを見て、はやくそこに侍りければ、昔を思ひやりてよめる 0853 君が植ゑし一むら薄虫の音の繁き野辺ともなりにけるかな (0687) 式部卿の 親王 みこ 、閑院の五の 皇女 みこ に住みわたりけるを、いくばくもあらで女みこの身まかりにける時に、かの皇女の住みける帳のかたびらの紐に、文を結ひつけたりけるを取りて見れば、昔の手にてこの歌をなん書き付けたりける 0857 かずかずに我を忘れぬものならば山の霞をあはれとは見よ (0689) 病にわづらひ侍りける秋、ここちのたのもしげなく覚えければ、よみて人のもとに遣はしける 大江千里 0859 紅葉葉を風にまかせて見るよりもはかなきものは命なりけり (0691) 身まかりなんとてよめる 藤原 惟幹 これもと 0860 露をなどあだなる物と思ひけん我が身も草におかぬばかりを (0692) 病して弱くなりにける時よめる 業平朝臣 0861 つひに行く道とはかねて聞きしかど昨日今日とは思はざりしを (0711) 巻第十七(雑歌上) 39首 題しらず 読人しらず 0864 思ふどち 円居 まとゐ せる夜は唐錦たたまく惜しきものにぞありける (1459 0865 嬉しきを何につつまん唐衣袂ゆたかにたてと言はましを (1460 0866 限りなき君が為にと折る花は時しもわかぬものにぞありける (1461) ある人のいはく、この歌は 前大臣 さきのおほいまうちぎみ の也。 ㉑『わが園に 梅の花散る ひさかたの 天(あま)より雪の 流れ来るかも』 作者:大伴旅人 意味:まだ寒い時期に私の庭の梅の花が散る。 題しらず 読人しらず 1007 うちわたす遠方人に物申す我そのそこに白く咲けるは何の花ぞも (1746) 註:この歌を含め、以下三首は旋頭歌。 助動詞「き」の活用の形と他の助動詞や助詞との繋がり 助動詞「き」の 未然形「せ」は必ず 助詞の「ば」と 反実仮想の助動詞「まし」と一緒に 「せば…まし」というカタチで用いられ、 反実仮想の仮定条件を表わします。 0672 池に住む名ををし鳥の水を浅みかくるとすれど顕れにけり (1091 0673 逢ふことは玉の緒ばかり名の立つは吉野の川の滝つ瀬のごと (1117 0674 群鳥の立ちにし我が名今更にことなしぶともしるしあらめや (1092) 巻第十四(恋歌四) 39首 題しらず 読人しらず 0677 みちのくの 安積 あさか の沼の花かつみかつ見る人に恋ひやわたらん (1160) 0680 君といへば見まれ見ずまれ富士の嶺の珍しげなく燃ゆる我が恋 (1175) 読人しらず 0682 岩間ゆく水の白波立ちかへりかくこそは見め飽かずもあるかな (1162 0683 伊勢のあまの朝な夕なに 潜 かづ くてふみるめに人を飽くよしもがな (1163 0687 飛鳥川淵は瀬になる世なりとも思ひそめてん人は忘れじ (1172 0689 さ筵に衣片敷き今宵もや我を待つらん宇治の橋姫 (1080) 又は、宇治の玉姫。 花を散らす風を恨む 花ちらす 風のやどりは たれかしる 我にをしへよ 行きてうらみむ(76) 素性 そせい法師 【現代語訳】この美しい桜の花を吹き散らす風の居どころを誰か知っているのか。 隠岐の国に流されける時に、船に乗りて出で立つとて、京なる人のもとに遣はしける 0407 わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと人には告げよあまの釣舟 (0779) 題しらず 読人しらず 0408 都出でて今日みかの原いづみ川かは風寒し衣かせ山 (0801 0409 ほのぼのと明石の浦の朝霧に島隠れゆく舟をしぞ思ふ (0802) この歌は、ある人のいはく、柿本人麿が也。 業平 右馬頭なりける人(78段・山科の宮) 右馬頭なりける翁(77段・安祥寺) 近衛府にさぶらひける翁(76段・小塩の山) 在五中将(63段。 桜より薄情な男 あだなりと なにこそたてれ 桜花 年にまれなる 人もまちけり(62) よみ人しらず 【現代語訳】桜の花ははかなく散るので薄情であるとの評判があるが、その花でも一年に何度も来られないあなたのおいでを待っていたのよ! これは女性が詠った和歌です。 伊勢物語 いろは歌 竹取物語 源氏物語 古事記 古今集 紫式部日記 万葉集 土佐日記 百人一首 古事記(安万侶)・ 万葉集(万侶集。 語句と文法 たえて 下に打消の語をともなう 意味は「全く〜ない」 なかりせば 「せ」は過去の助動詞「き」の未然形 「ば」は接続助詞 反実仮想 意味は「〜なら~だろうに」 のどけから 「のどけから」で一語 ク活用の形容詞「のどけし」の未然形 まし 助動詞「まし」の終止形 反実仮想「だろうに」の意味 句切れ 句切れなし 在原業平の歌人解説 六歌仙・三十六歌仙。 [訳:蓬田修一] 渚院(なぎさのゐん)にて桜をよめる 世の中に 絶(た)えて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし 古今和歌集 在原業平朝臣(ありはらのなりひらあそん) [現代語訳] 渚院(なぎさのいん)で桜を詠んだ歌 世の中に まったく桜が なかったとしたら 春の気持ちは のどかなものであったに違いない [ひとこと解説] 渚院(なぎさのいん)は、惟喬(これたか)親王の別邸があった場所。 心変わりを嘆く はなの木も 今はほりうゑじ 春たてば うつろふ色に 人ならひけり(92) 素性法師 【現代語訳】花の咲く木もこれからはもう掘って来て植えまい。 未然形の活用「 けら 」にカッコが付いている理由は、助動詞「けり」の未然形「けら」が助動詞の「ず」とくっついて「けらず」というカタチで上代 奈良時代 に用いられたというように限定された使われ方しか存在しないためです。 桜の和歌といえば「現代歌人も」 清水へ祇園をよぎる桜月夜 今宵逢ふ人みなうつくしき 与謝野晶子 清水へ行こうと祇園を急いでいると、桜も月も美しい。 0908 かくしつつ世をや尽くさん 高砂 たかさご の 尾上 をのへ に立てる松ならなくに (1693) 藤原興風 0909 誰をかも知る人にせん高砂の松も昔の友ならなくに (1694) 読人しらず 0910 わたつ海の沖つ潮合に浮かぶ泡の消えぬものから寄る方もなし (1660 0911 わたつ海のかざしに挿せる白妙の波もてゆへる淡路島山 (1661 0912 わたの原寄せ来る波のしばしばも見まくの欲しき玉津島かも (1662 0913 難波潟潮満ち来らしあま衣 田蓑 たみの の島に 鶴 たづ 鳴き渡る (1663) 布引の滝見にてよめる 在原行平朝臣 0922 こきちらす滝の白玉拾ひ置きて世の憂き時の涙にぞかる (1682) 布引の滝のもとにて人々集まりて歌よみける時によめる 業平 0923 ぬき乱る人こそあるらし白玉の間無くも散るか袖の 狭 せば きに (1683) 題しらず 神退法師 0925 清滝の瀬々の白糸くりためて山分け衣おりて着ましを (1684) 竜門に詣でて、滝のもとにてよめる 伊勢 0926 たち縫はぬ衣着し人もなきものをなに山姫の布さらすらん (1685) 田村の御時に、女房のさぶらひにて御屏風の絵御覧じけるに、「滝落ちたりける所おもしろし。 【撰者】・・・ 【主な歌人と収録歌数】 99首 60首 46首 36首 36首 30首 23首 19首 18首 【性格】最初の勅撰和歌集。 桜の和歌といえば万葉集「柿本人麻呂の一首」 桜花 咲きかも散ると 見るまでに 誰れかもここに 見えて散り行く 柿本人麻呂の有名な桜の和歌です。 のこりなく ちるぞめでたき 桜花 ありて世の中 はてのうければ(71)よみ人しらず 【現代語訳】桜の花は、綺麗さっぱり散ってしまうのが結構なのである。 0223 折りて見ば落ちぞしぬべき秋萩の枝もたわわに置ける白露 (0326 0224 萩が花散るらん小野の露霜に濡れてをゆかん小夜は更くとも (0327) 朱雀院の女郎花合によみてたてまつりける 三条右大臣 0231 秋ならで逢ふこと難き 女郎花 をみなへし 天の川原に生ひぬものゆゑ (0337) 貫之 0232 誰が秋にあらぬものゆゑ女郎花なぞ色に出でてまだきうつろふ (0338) 藤袴をよみて人に遣はしける 0240 宿りせし人のかたみか藤袴忘られ難き香ににほひつつ (0340) 藤袴をよめる 素性 0241 ぬし知らぬ香こそ匂へれ秋の野に誰がぬぎかけし藤袴ぞも (0341) 寛平御時后宮の歌合の歌 0243 秋の野の草の袂か花すすき穂に出でてまねく袖と見ゆらん (0345) 素性法師 0244 われのみやあはれと思はんきりぎりす鳴く夕かげの大和撫子 (0363) 題しらず 読人しらず 0245 緑なるひとつ草とぞ春は見し秋は色々の花にぞありける (0364 0247 月草に衣は 摺 す らん朝霧に濡れての後はうつろひぬとも (0365) 仁和のみかど、親王におはしましける時、布留の滝御覧ぜんとておはしましける道に、遍昭が母の家にやどり給へりける時に、庭を秋の野につくりて、おほん物語りのついでによみてたてまつりける 僧正遍昭 0248 里は荒れて人はふりにし宿なれや庭もまがきも秋の野らなる (0366) 巻第五(秋歌下) 30首 是貞親王の家の歌合の歌 0249 吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風を嵐といふらん (0410 0250 草も木も色かはれどもわたつ海の浪の花にぞ秋なかりける (0411) 秋の歌合しける時によめる 0251 紅葉せぬときはの山は吹く風の音にや秋を聞きわたるらん (0396) 題しらず 読人しらず 0252 霧立ちて雁ぞ鳴くなる片岡のあしたの原は紅葉しぬらん (0393 0253 神な月しぐれもいまだ降らなくにかねてうつろふ神なびの森 (0394 0254 ちはやぶる神なび山の紅葉葉は思ひはかけじうつろふものを (0445) 是貞親王の家の歌合によめる 壬生忠岑 0258 秋の夜の露をば露と置きながら雁の涙や野辺を染むらむ (0446) もる山のほとりにてよめる 貫之 0260 白露も時雨もいたくもる山は下葉残らず色づきにけり (0447 * 神のやしろのあたりを罷りける時に、 斎垣 いがき のうちの紅葉を見てよめる 0262 ちはやぶる神の斎垣にはふ葛も秋には 堪 あ へずうつろひにけり (0448) 寛平御時后宮の歌合の歌 読人しらず 0264 散らねどもかねてぞ惜しき紅葉葉は今は限りの色と見つれば (0449) 人の前栽に菊を結びつけて植ゑける歌 在原業平朝臣 0268 植ゑし植ゑば秋なき時や咲かざらん花こそ散らめ根さへ枯れめや (0427) 寛平御時、菊の花をよませ給ふける 敏行朝臣 0269 久方の雲の上にて見る菊は天つ星とぞあやまたれける (0429) この歌はまだ殿上ゆるされざりける時に召し上げられてつかうまつるとなん。 0704 里人のことは夏野の繁くともかれ行く君に逢はざらめやは (1256) 藤原敏行朝臣の、業平朝臣の家なりける女をあひしりて文つかはせりける言葉に「今まうでく、雨の降りけるをなん見煩ひ侍る」と言へりけるを聞きて、かの女に代りてよめりける 在原業平朝臣 0705 数々に思ひ思はず問ひがたみ身をしる雨は降りぞまされる (1126) ある女の、業平朝臣をところ定めず 歩 あり きすと思ひて、よみて遣はしける 読人しらず 0706 大ぬさの引くて数多になりぬれば思へどえこそ頼まざりけれ (1240) 返し 業平朝臣 0707 大ぬさと名にこそ立てれ流れてもつひに寄る瀬はありてふものを (1241) 題しらず 読人しらず 0708 須磨のあまの塩やく煙風をいたみ思はぬ方にたなびきにけり (1320 0709 玉葛はふ木あまたになりぬれば絶えぬ心のうれしげもなし (1246 0711 いで人はことのみぞよき月草のうつし心は色ことにして (1247 0712 偽りの無き世なりせばいかばかり人の言の葉うれしからまし (1248 0713 偽りと思ふものから今更に 誰 た がまことをか我はたのまん (1249) 寛平御時后宮の歌合の歌 友則 0715 蝉の声聞けば悲しな夏衣うすくや人のならんと思へば (1259) 題しらず 読人しらず 0717 あかでこそ思はん中は離れなめそをだに後の忘れ形見に (1150 0718 忘れなんと思ふ心のつくからにありしよりけに先づぞ悲しき (1151) 0724 みちのくの忍ぶもぢ摺り誰ゆゑに乱れむと思ふ我ならなくに (0853) 読人しらず 0725 思ふよりいかにせよとか秋風に靡く浅茅の色ことになる (1265) 小町 0727 海士の住む里の 標 しるべ にあらなくにうらみんとのみ人の言ふらん (1322) 読人しらず 0732 堀江漕ぐ棚無し小舟漕ぎかへり同じ人にや恋ひわたりなん (1180) 伊勢 0733 わたつ海と荒れにし床を今更に払はば袖やあわと浮きなん (1437) 貫之 0734 古になほ立ちかへる心かな恋しきことに物忘れせで (1438) 人を忍びにあひしりて、逢ひ難くありければ、その家のあたりをまかりありきける折に、雁の鳴くを聞きて、よみて遣はしける 0735 思ひ出でて恋しき時は初雁の鳴きてわたると人知るらめや (1439) 右大臣 みぎのおほいまうちぎみ 、住まずなりにければ、かの昔おこせたりける文どもを取り集めて返すとて、よみておくりける 典侍藤原因香朝臣 0736 たのめこし言の葉今は返してん我が身ふるれば置き所なし (1440) 返し 0737 今はとて返す言の葉拾ひおきて己がものから形見とや見ん (1441) 中納言源 昇 のぼる 朝臣の近江介に侍りける時によみてやれりける 0740 逢坂の 木綿 ゆふ 付鳥にあらばこそ君が行き来をなくなくも見め (1344) 題しらず 読人しらず 0746 形見こそ今はあだなれこれ無くは忘るる時もあらましものを (1417) 巻第十五(恋歌五) 34首 五条の后宮の西の対に住みける人に、 本意 ほい にはあらで物いひわたりけるを、む月の十日あまりになん、ほかへ隠れにける、あり所は聞きけれど、え物も言はで、又の年の春、梅の花さかりに月のおもしろかりける夜、 去年 こぞ を恋ひて、かの西の対にいきて、月のかたぶくまで、あばらなる板敷にふせりてよめる 業平朝臣 0747 月やあらぬ春や昔の春ならぬ我が身一つはもとの身にして (1358) 題しらず 藤原仲平朝臣 0748 花すすき我こそ下に思ひしか穂に出でて人にむすばれにけり (1280) 0749 よそにのみ聞かましものを音羽川渡るとなしにみなれ初めけん (1345) 在原元方 0751 久方の天つ空にも住まなくに人はよそにぞ思ふべらなる (1442) 読人しらず 0752 見てもまた又も見まくのほしければ馴るるを人は厭ふべらなり (1176) 紀友則 0753 雲もなく凪ぎたる朝の我なれやいとはれてのみ世をば経ぬらん (1443) 読人しらず 0754 花がたみめ並ぶ人の 数多 あまた あれば忘られぬらん数ならぬ身は (1128) 伊勢 0756 あひにあひて物思ふ頃の我が袖に宿る月さへ濡るる顔なる (1363) 読人しらず 0758 須磨のあまの塩やき衣をさを荒み間遠にあれや君が来まさぬ (1319 0759 山城の淀の 若薦 わかごも かりにだに来ぬ人たのむ我ぞはかなき (1430 0761 暁の鴨の羽掻きももはがき君が来ぬ夜は我ぞ数かく (1142 0762 玉葛今は絶ゆとや吹く風の音にも人の聞えざるらん (1431 0766 恋ふれども逢ふ夜のなきは忘れ草夢路にさへや生ひしげるらん (1342) 兼藝法師 0768 唐土 もろこし も夢に見しよは近かりき思はぬ仲ぞ遥かけかりける (1432) 註:大系本、第二句「夢に見しかば」。 過去の助動詞「き」は、サ変動詞の「為 す 」とカ変動詞「来 く 」の2つの動詞に由来するという説があり、2つの動詞に由来していることによって助動詞「き」が特殊な活用をすると考えられています。 この酒を飲みてむとて、 このさけをのみてむとて、 のまんとて よき所を求め行くに、 よきところをもとめゆくに、 きよき所もとめゆくに。 ただし、カ変動詞の「来 こ 」とサ変動詞の「為 す 」に接続する場合は、同語反復を避けるために未然形に接続する場合があるため、注意が必要です。 いま狩する交野の 渚の家、 いまかりするかたのゝ なぎさのいへ、 なぎさの院の櫻。 この酒を飲みてむとて この酒を飲もうといって よき所を求め行くに それに相応しい所を求めていくと、 天の河といふ所にいたりぬ 天の川という所に至った。 渚の院にてさくらを見てよめる 53 世の中に 絶えて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし• これを題にてよめ」とさぶらふ人におほせられければ、よめる 三条町 0930 思ひせく心のうちの滝なれや落つとは見れど音の聞こえぬ (1687) 巻第十八(雑歌下) 46首 題しらず 読人しらず 0933 世の中は何か常なるあすか川昨日の淵ぞ今日は瀬になる (1519 0934 幾世しもあらじ我が身をなぞもかく海士のかるもに思ひ乱るる (1542 0935 雁の来る峰の朝霧はれずのみ思ひ尽きせぬ世の中の憂さ (1594) 小野篁朝臣 0936 然りとて背かれなくに事しあれば先づ歎かれぬあな憂世の中 (1547) 甲斐の守に侍りける時、京へ罷りのぼりける人に遣はしける 小野貞樹 0937 都人いかにと問はば山高み晴れぬ雲井に侘ぶと答へよ (0792) 文屋康秀が三河掾になりて「 県見 あがたみ にはえ出で立たじや」と言ひやれりける返り事によめる 小野小町 0938 侘びぬれば身をうき草のねを絶えて誘ふ水あらばいなんとぞ思ふ (1543) 題しらず 0939 あはれてふことこそうたて世の中を思ひ離れぬほだしなりけれ (1544) 読人しらず 0940 あはれてふ言の葉ごとに置く露は昔を恋ふる涙なりけり (1545 0941 世の中の憂きもつらきも告げなくに先づ知るものは涙なりけり (1546 0942 世の中は夢か現かうつつともゆめとも知らず有りて無ければ (0640 0943 世の中にいづら我が身の有りて無しあはれとやいはんあな憂とやいはん (0641 0944 山里は物の寂しきことこそあれ世の憂きよりは住みよかりけり (1701) 惟喬親王 0945 白雲の絶えずたなびく峰にだに住めば住みぬる世にこそありけれ (1702) 0946 知りにけん聞きてもいとへ世の中は波の騒ぎに風ぞしくめる (1527) 読人しらず 0948 世の中は昔よりやは憂かりけん我が身一つのためになれるか (1528 0950 み吉野の山のあなたに宿もがな世のうき時のかくれがにせん (1529 0952 いかならん巌の中に住まばかは世の憂きことの聞え来ざらん (1530 0953 足引の山のまにまに隠れなん憂き世の中はあるかひもなし (1531 0954 世の中の憂けくに厭きぬ奧山の木の葉に降れる雪や 消 け なまし (1532) 同じ文字なき歌 物部良名 0955 世の憂きめ見えぬ山路へいらんには思ふ人こそほだしなりけれ (1533) 物思ひける時、いときなき子を見てよめる 躬恒 0957 今更に何おひ出づらん竹の子のうき節しげき世とは知らずや (1534) 題しらず 読人しらず 0958 世に経れば言の葉繁き呉竹のうき節ごとに鴬ぞなく (1535 0959 木にもあらず草にもあらぬ竹のよのはしに我が身は成りぬべらなり (1536) ある人のいはく、高津内親王の歌也。 卯月に咲ける桜を見てよめる 0136 あはれてふことを 数多 あまた にやらじとや春に遅れて独り咲くらん (0197) 題しらず 読人しらず 0137 五月待つ山時鳥うち羽ぶき今も鳴かなん 去年 こぞ の古声 (0207 0139 五月待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする (0208 0141 今朝来鳴きいまだ旅なるほととぎす花橘に宿はからなん (0209 0147 時鳥 汝 な が鳴く里のあまたあればなほ疎まれぬ思ふものから (0237 0148 思ひいづるときはの山の時鳥から紅のふり出でてぞ鳴く (0238 0149 声はして涙は見えぬ時鳥わが衣手の 漬 ひ つをからなん (0239 0150 足引の山時鳥をりはへて誰かまさると音をのみぞ鳴く (0221) 0152 やよや待て山時鳥ことづてんわれ世の中に住み侘びぬとよ (0244) 0155 やどりせし花橘もかれなくになど時鳥こゑ絶えぬらん (0245) 紀貫之 0156 夏の夜の臥すかとすれば時鳥鳴く一声に明くるしののめ (0236) 読人しらず 0159 去年の夏鳴きふるしてし時鳥それかあらぬか声のかはらぬ (0210) はやく住みける所にて、時鳥の鳴きけるを聞きてよめる 0163 昔べや今も恋しきほととぎす故郷にしも鳴きて来つらん (0212) はちすの露を見てよめる 僧正遍昭 0165 はちす葉の濁りにしまぬ心もて何かは露を玉とあざむく (0250) 月のおもしろかりける夜、暁かたによめる 深養父 0166 夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを雲のいづこに月やどるらん (0252) みな月のつごもりの日、よめる 躬恒 0168 夏と秋と行き交ふ空のかよひぢはかたへ涼しき風や吹くらん (0263) 巻第四(秋歌上) 40首 秋立つ日よめる 0169 秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる (0264) 秋立つ日、うへのをのこども、賀茂の河原に川逍遙しける供にまかりてよめる 紀貫之 0170 河風の涼しくもあるか打ちよする浪とともにや秋は立つらん (0265) 題しらず 読人しらず 0171 我がせこが衣の裾を吹きかへしうらめづらしき秋の初風 (0266 0172 昨日こそ早苗取りしかいつのまに稲葉そよぎて秋風の吹く (0267 0173 秋風の吹きにし日より久方の天の川原に立たぬ日はなし (0291 0174 久方の天の川原のわたし守君わたりなば梶かくしてよ (0292 0175 天の川紅葉を橋にわたせばや七夕つめの秋をしも待つ (0293) 七日の日の夜、よめる 凡河内躬恒 0180 七夕にかしつる糸のうちはへて年の緒ながく恋ひやわたらん (0294) 題しらず 読人しらず 0184 木の間より洩りくる月のかげ見れば心づくしの秋は来にけり (0303 0188 独りぬる床は草葉にあらねども秋来る宵は露けかりけり (0272) 惟喬親王の家の歌合の歌 0189 いつはとは時はわかねど秋の夜ぞ物思ふことの限りなりける (0397) 題しらず 0191 白雲に羽うち交はし飛ぶ雁の数さへ見ゆる秋の夜の月 (0321) 是貞親王の家の歌合によめる 大江千里 0193 月見れば千々に物こそ悲しけれ我が身一つの秋にはあらねど (0306) 忠岑 0194 久方の月の桂も秋はなほ紅葉すればや照りまさるらん (0307) 題しらず 読人しらず 0200 君しのぶ草にやつるる故郷は松虫の音ぞ悲しかりける (0352 0201 秋の野に道もまどひぬ松虫の声する方に宿やからまし (0348 0204 日ぐらしの鳴きつるなへに日は暮れぬと思ふは山の陰にぞありける (0353 0205 日ぐらしの鳴く山里の夕暮は風よりほかにとふ人もなし (0354) 是貞親王の家の歌合に 友則 0207 秋風に初雁がねぞ聞こゆなる誰が玉づさをかけて来つらん (0367) 題しらず 読人しらず 0208 我が門に 稲負鳥 いなおほせどり の鳴くなへに今朝吹く風に雁は来にけり (0368 0209 いとはやも鳴きぬる雁か白露の色どる木々も紅葉あへなくに (0369 0210 春霞かすみて 去 い にし雁がねは今ぞ鳴くなる秋霧の上に (0370 0211 夜を寒み衣かりがね鳴くなへに萩の下葉もうつろひにけり (0371) 是貞親王の家の歌合の歌 読人しらず 0215 奧山に紅葉ふみ分け鳴く鹿の声聞く時ぞ秋は悲しき (0422) 題しらず 0216 秋萩にうらびれ居れば足曳の山下とよみ鹿の鳴くらん (0423) 是貞親王の家の歌合によめる 敏行朝臣 0218 秋萩の花咲きにけり高砂の尾上の鹿は今や鳴くらん (0424) 題しらず 読人しらず 0220 秋萩の下葉色づく今よりやひとりある人のいねがてにする (0323 0221 鳴きわたる雁の涙や落ちつらん物思ふ宿の萩の上の露 (0324 * 0222 萩の露玉にぬかんと取れば 消 け ぬよし見ん人は枝ながら見よ (0325) ある人のいはく、この歌は奈良の帝の御歌也と。 0568 死ぬる命生きもやすると心みに玉の緒ばかり逢はんといはなん (1022 0569 侘びぬれば強ひて忘れんと思へども夢といふものぞ人だのめなる (1213) 読人しらず 0570 わりなくも寝ても覚めても恋しきか心をいづちやらば忘れん (1235 0571 恋しきに侘びて魂まどひなば空しきからの名にや残らん (1236) 紀貫之 0572 君恋ふる涙しなくは唐衣むねのあたりは色燃えなまし (1329) 題しらず 素性法師 0575 儚くて夢にも人を見つる夜は 朝 あした の床ぞおき憂かりける (1228) 友則 0593 宵々に脱ぎて我が 寝 ぬ るかり衣かけて思はぬ時の間もなし (1168 0594 東路の 小夜 さや の中山なかなかになにしか人を思ひ初めけん (0919) 貫之 0599 白玉と見えし涙も年 経 ふ れば唐紅にうつろひにけり (1330) 忠岑 0601 風吹けば峰に別るる白雲のたえてつれなき君が心か (1353) 貫之 0604 津の国の難波の蘆のめもはるに繁き我が恋人知るらめや (0906 0605 手も触れで月日経にける白真弓おきふし夜は 寐 い こそ寝られね (1097) 忠岑 0609 命にも勝りて惜しくあるものは見果てぬ夢の覚むるなりけり (1231) 春道列樹 0610 梓弓引けばもとすゑ我が方によるこそまされ恋の心は (1096) 躬恒 0611 我が恋は行方も知らずはても無し逢ふを限りと思ふばかりぞ (1015 0614 たのめつつ逢はで年経る偽りにこりぬ心を人は知らなん (1017) 友則 0615 命やは何ぞは露のあだものを逢ふにしかへば惜しからなくに (1023) 巻第十三(恋歌三) 31首 弥生のついたちより、しのびに人に物を言ひてのちに、雨のそぼふりけるによみて遣はしける 在原業平朝臣 0616 起きもせず寝もせで夜を明かしては春の物とて眺め暮らしつ (1065) 業平朝臣の家に侍りける女のもとによみて遣はしける 敏行朝臣 0617 つれづれのながめにまさる涙川袖のみ濡れて逢ふよしもなし (1124) かの女にかはりて返しによめる 業平朝臣 0618 浅みこそ袖は 漬 ひ つらめ涙川身さへ流ると聞かばたのまむ (1125) 題しらず 読人しらず 0619 寄るべなみ身をこそ遠く隔てつれ心は君が影となりにき (1127 0620 いたづらに行きては来ぬる物ゆゑに見まく欲しさに 誘 いざな はれつつ (1178) 業平朝臣 0622 秋の野に笹分けし朝の袖よりも逢はで来し夜ぞ 漬 ひ ちまさりける (1138) 壬生忠岑 0625 有明のつれなく見えし別れより暁ばかり憂きものはなし (1069 * 在原元方 0626 逢ふことのなぎさにし寄る波なればうらみてのみぞ立ち帰りける (0902) 読人しらず 0631 こりずまに又も無き名は立ちぬべし人にくからぬ世にし住まへば (1146) 東の五条わたりに人をしりおきてまかりかよひけり。 しはつ山ぶり 1073 しはつ山打ち出でて見れば笠ゆひの島漕ぎかくる棚無小舟 (1724) 神遊びの歌 採物 とりもの の歌 1074 神垣の三室の山の榊葉は神のみまへに繁りあひにけり (1754 1075 霜八たび置けど枯れせぬ榊葉の立ちさかゆべき神の 巫覡 きね かも (1755 1076 纏向 まきもく の穴師の山の山人と人も見るがに山かづらせよ (1756 1077 み山には霰降るらし外山なるまさきのかづら色付きにけり (1725 1078 みちのくの安達のま弓我が引かば末さへ寄り 来 こ 忍び忍びに (1726 1079 我が門の板井の清水里遠み人し汲まねば 水草 みくさ おひにけり (1727) ひるめの歌 1080 ささのくま 檜隅川 ひのくまがは に駒とめてしばし水かへ影をだに見ん (1728) 返し物の歌 1081 青柳のかた糸によりて鴬の縫ふてふ笠は梅の花笠 (1729 1082 まがねふく吉備の中山帯にせる細谷川の音のさやけさ (1730) この歌は、承和の御 嘗 べ の吉備の国の歌。 (桜が咲くおかげで、こんなにもワクワクそわそわした気持ちになるのだ) 「 世の中に」 と、静かに始まり、「 絶えて 桜の なかりせ ば」 で、a音の連続する急なリズム。 0546 いつとても恋しからずはあらねども秋の夕はあやしかりけり (1263 0548 秋の田の穂の上を照らす稲妻の光の間にも我や忘るる (1264 0550 あは雪のたまればかてにくだけつつ我が物思ひの繁き頃かな (1300 0551 奧山の菅の根しのぎ降る雪の 消 け ぬとかいはん恋の繁きに (1301) 巻第十二(恋歌二) 32首 題しらず 小野小町 0552 思ひつつ 寝 ぬ ればや人の見えつらん夢と知りせば覚めざらましを (1214 0553 うたた寝に恋しき人を見てしより夢てふものはたのみ初めてき (1215 0554 いとせめて恋しき時はむば玉の夜の衣をかへしてぞ着る (1216) 素性法師 0555 秋風の身に寒ければつれもなき人をぞたのむ暮るる夜毎に (1269) 下つ出雲寺に人のわざしける日、真せい法師の導師にて言へりける詞を歌によみて小野小町がもとに遣はしける 0556 つつめども袖にたまらぬ白玉は人を見ぬ目の涙なりけり (1327) 返し 小町 0557 おろかなる涙ぞ袖に玉はなす我はせきあへず滝つせなれば (1328) 寛平御時后宮の歌合の歌 藤原敏行朝臣 0558 恋ひ侘びてうち 寝 ぬ る中に往き通ふ夢の 直路 ただぢ はうつつならなん (1217 0559 住の江の岸に寄る波よるさへや夢の通ひ路人目よくらん (1218) 小野 美材 よしき 0560 我が恋はみ山隠れの草なれや繁さまされど知る人のなき (0858) 紀友則 0562 夕されば蛍よりけに燃ゆれども光見ねばや人のつれなき (0996 0563 笹の葉に置く霜よりも独りぬる我が衣手ぞさえまさりける (1139 0564 我が宿の菊の垣根に置く霜の消えかへりてぞ恋しかりける (1007 0565 河の瀬になびく玉藻の 水隠 みがく れて人に知られぬ恋もするかな (0861) 壬生忠岑 0566 かきくらし降る白雪の下消えにきえて物思ふ頃にもあるかな (1008) 藤原興風 0567 君恋ふる涙の床に満ちぬればみをつくしとぞ我はなりぬる (1123) 註:大系本、第五句「我はなりける」。 1083 美作 みまさか や久米のさら山さらさらに我が名は立てじ万代までに (1731) これは、水尾の御べの美作の国の歌。 しひてかの 室 むろ にまかり至りて、おがみけるに、つれづれとしていと物悲しくて、帰りまうで来て、よみて贈りける 0970 忘れては夢かとぞ思ふ思ひきや雪踏み分けて君を見んとは (1515) 深草の里に住み侍りて京へまうで 来 く とて、そこなりける人によみて贈りける 0971 年を経て住み来し里を出でていなばいとど深草野とやなりなん (1699) 返し 読人しらず 0972 野とならばうづらと鳴きて年は経んかりにだにやは君は来ざらん (1700) 0975 今更にとふべき人も思ほえず 八重葎 やへむぐら して門させりてへ (1134) 友達の久しくまうで来ざりけるもとに、よみて遣はしける 躬恒 0976 水の面に生ふるさ月の浮草のうき事あれやねを絶えて来ぬ (1592) 題しらず 読人しらず 0981 いざここに我が世は経なん菅原や伏見の里の荒れまくも惜し (1642 0982 我が庵は三輪の山もと恋しくはとぶらひ来ませ杉たてる門 (1643) 0983 我が庵は都のたつみしかぞすむ世をうぢ山と人は言ふなり (1646) 読人しらず 0984 荒れにけりあはれ幾世の宿なれや住みけん人のおとづれもせぬ (1697) 奈良へまかりける時に、荒れたる家に女の琴ひきけるを聞きて、よみて入れたりける 良岑宗貞 0985 侘び人の住むべき宿と見るなへに歎き加はる琴の 音 ね ぞする (1698) 女ともだちと物語して、別れてのちに遣はしける 0992 あかざりし袖の中にや入りにけん我が魂の無き心地する (1234) 題しらず 読人しらず 0995 たがみそぎゆふ付鳥か唐衣立田の山にをりはへて鳴く (1649 * 0996 忘られん時しのべとぞ浜千鳥ゆくへも知らぬ跡をとどむる (1510) 貞観御時、「万葉集はいつばかりつくれるぞ」と問はせ給ひければ 0997 神な月時雨ふりおけるならの葉の名に負ふ宮のふることぞこれ (1679) 寛平御時、歌奉りけるついでに、奉りける 大江千里 0998 蘆鶴 あしたづ の独り遅れて鳴く声は雲の上まで聞え継がなん (1477) 歌召しける時に奉るとて、よみて奥に書き付けて奉りける 伊勢 1000 山川の音にのみ聞く百敷を 水脈 みを はやながら見るよしもがな (1478) 巻第十九(雑体) 9首 壬生忠岑 1004 君が代に逢坂山の岩清水 木隠 こがく れたりと思ひけるかな (1479) 註:この歌は「古歌に加へて奉れる長歌」と題された長歌の反歌。 ㉚『瓶(かめ)にさす 藤の花ぶさ みじかければ たゝみの上に とゞかざりけり』 作者:正岡子規 意味:ふじの花が部屋の花瓶にいけてある。 0506 人知れぬ思ひやなぞとあしがきの間近けれども逢ふ由のなき (1027 0507 思ふとも恋ふとも逢はんものなれや結ふ手もたゆく解くる下紐 (1032 0508 いで我を人なとがめそ大船のゆたのたゆたに物思ふ頃ぞ (0896 0509 伊勢の海に釣するあまの浮けなれや心一つを定めかねつる (0897 0510 伊勢の海のあまの釣縄うち 延 は へて苦しとのみや思ひわたらん (0898 0511 涙川なに水上を尋ねけん物思ふ時の我が身なりけり (0941 0512 種しあれば岩にも松は生ひにけり恋をし恋ひば逢はざらめやも (0888 0513 朝な朝な立つ河霧の空にのみうきて思ひのある世なりけり (0947 0514 忘らるる時しなければ 蘆鶴 あしたづ の思ひ乱れて音をのみぞなく (1145 0515 唐衣ひも夕暮になる時はかへすがへすぞ人は恋しき (1083 0516 宵々に枕定めん方もなしいかに寝し夜か夢に見えけん (1084 0520 来ん世にもはや成りななん目の前につれなき人を昔と思はん (1031 0522 ゆく水に数書くよりもはかなきは思はぬ人を思ふなりけり (0962 0523 人を思ふ心は我にあらねばや身のまどふだに知られざるらん (1181 0525 夢のうちに逢ひ見んことをたのみつつ暮らせる宵は寝ん方もなし (1223 0526 恋ひ死ねとするわざならしむば玉の夜はすがらに夢に見えつつ (1224 0527 涙川枕流るる浮き寝には夢もさだかに見えずぞありける (1225 0533 蘆鴨のさわぐ入江の白波の知らずや人をかく恋ひんとは (1184 0537 逢坂の関に流るる石清水いはで心に思ひこそすれ (0940 0538 浮草の上はしげれる淵なれやふかき心を知る人のなき (0857 0544 夏虫の身をいたづらになすことは一つ思ひによりてなりけり (1261) 註:大系本、第三句「なすことも」。 1009 初瀬川 布留川 ふるかは の 辺 べ に二もとある杉年を経てまたも相見ん二もとある杉 (1748) 素性法師 1012 山吹の花色衣ぬしやたれ問へどこたへずくちなしにして (1587) 読人しらず 1023 枕より 足 あと より恋のせめ来ればせんかたなみぞ床中に居る (1233) 左大臣 1049 もろこしの吉野の山に籠るともおくれんと思ふ我ならなくに (1205) 伊勢 1051 難波なる長柄の橋も尽くるなり今は我が身を何にたとへん (1500) 読人しらず 1068 世をいとひ 木 こ の 下 もと ごとに立ち寄りてうつぶし染めの麻の衣なり (1509) 巻第二十 30首 大歌所御歌 大直日 おほなほび の歌 1069 新しき年の始めにかくしこそ千年をかねて楽しきをつめ (0582) 日本紀には、つかへまつらめよろづ代までに。 散ればこそ また、人の歌、 散ればこそ いとゞ桜はめでたけれ うき世になにか 久しかるべき とて、その木の下はたちてかへるに、日暮になりぬ。 あかなくに まだきも月のかくるゝか 山の端にげて 入れずもあらなむ かへりて宮に入らせ給ひぬ それはスルーされて、帰って宮に入りなさった。 また、六 歌仙 かせん、三十六歌仙(他に、 柿本人麻呂 かきのもとのひとまろ、 山部赤人 やまべのあかひと、 大伴家持 おおとものやかもち、小野小町など)の一人で、平安時代を代表する歌人として有名で、美男子としても知られています。 さよならだけが人生だ やどりして 春の山辺に ねたる夜は 夢の内にも 花ぞちりける(117)よみ人しらず 【現代語訳】宿をとって、春の山のほとりに泊まった夜は、夢の中でまでも、花が散っていたことよ。 ㉘『雪とけし 泉の石に 遊びいでて 拝む蟹をも 食は(わ)む(ん)とぞする』 作者:土屋文明 意味:蟹が、雪解けした泉の石の上で遊びに出ていて、はさみを合わせて「どうか食べないでください」と拝むようにしている。 かの馬頭のよめる かの馬頭が詠んだ あかなくに まだきも月のかくるゝか 夜も明けず まだ月もこないのに隠れるか 山の端にげて 入れずもあらなむ 山の端に逃げても 寝させはせん 月もいらじ 親王にかはり奉りて、紀有常、 おしなべて 峯もたひらに なりななむ 山の端なくは 月もいらじを 親王にかはり奉りて紀有常 バッター見送りマンの親王に代わって有常。 0285 恋しくは見ても忍ばん紅葉葉を吹きな散らしそ山おろしの風 (0460 0287 秋は来ぬ紅葉は宿に降りしきぬ道ふみ分けてとふ人はなし (0461 0288 踏み分けてさらにやとはん紅葉葉の降り隠してし道と見ながら (0462) 0291 霜のたて露のぬきこそ弱からし山の錦の織ればかつ散る (0463) 雲林院の木の蔭にたたずみてよみける 僧正遍昭 0292 侘び人のわきて立ち寄る 木 こ のもとはたのむ蔭なく紅葉散りけり (0464) 二条の后の春宮のみやす所と申しける時に、御屏風に竜田川に紅葉流れたるかたをかけりけるを題にてよめる 業平朝臣 0294 ちはやぶる神世も聞かず立田川から紅に水くくるとは (0465) 是貞親王の家の歌合の歌 敏行朝臣 0295 我が来つる方も知られずくらぶ山木々の木の葉の散るとまがふに (0466) 志賀の山越えにてよめる 0303 山川に風のかけたるしがらみは流れもあへぬ紅葉なりけり (0467) 北山に僧正遍昭と 茸 たけ 狩に罷りにけるによめる 素性法師 0309 紅葉葉は袖にこき入れてもていでなん秋は限りと見ん人のため (0468) 長月のつごもりの日、大井にてよめる 貫之 0312 夕月夜をぐらの山に鳴く鹿の声のうちにや秋は来るらん (0475) 巻第六(冬歌) 16首 題しらず 読人しらず 0314 竜田川錦織りかく神無月しぐれの雨をたてぬきにして (0478) 冬の歌とてよめる 源宗于朝臣 0315 山里は冬ぞ淋しさまさりける人めも草もかれぬと思へば (0508) 題しらず 読人しらず 0316 大空の月の光し清ければ影見し水ぞ先づこほりける (0544 0317 夕されば衣手さむしみ吉野の吉野の山にみ雪降るらし (0550 0318 今よりはつぎて降らなん我が宿のすすき押しなみ降れる白雪 (0553 0321 古郷は吉野の山し近ければ一日もみ雪降らぬ日はなし (0551 0322 我が宿は雪降りしきて道もなし踏み分けてとふ人しなければ (0552) 冬の歌とてよめる 紀貫之 0323 雪降れば冬ごもりせる草も木も春に知られぬ花ぞ咲きける (0554) 奈良の京にまかれりける時に宿れりける所にてよめる 0325 み吉野の山の白雪つもるらし故郷さむくなりまさるなり (0555) 雪の降りけるをよみける 深養父 0330 冬ながら空より花の散りくるは雲のあなたは春にやあるらん (0557) 大和の国にまかれりける時に、雪の降りけるを見てよめる 坂上是則 0332 朝ぼらけ有明の月と見るまでに吉野の里に降れる白雪 (0558 * 題しらず 読人しらず 0333 消ぬが上にまたも降りしけ春霞立ちなばみ雪稀にこそ見め (0559 0334 梅の花それとも見えず久方のあまぎる雪のなべて降れれば (0043) この歌は、ある人のいはく、柿本人麿が歌也。 ㉖『桜ばな いのち一(いっ)ぱいに 咲くからに 生命(いのち)をかけて わが眺めたり』 作者:岡本かの子 意味:桜の花が、命の力いっぱいに咲いているから、私も自分のいのちをかけるようにしっかりと眺めている。 堀川太政大臣の四十賀九条の家にてしける時によめる 在原業平朝臣 0349 桜花散りかひ曇れ老いらくの来んといふなる道まがふがに (0620) 貞辰親王 さだときのみこ のをばの四十の賀を大井にてしける日よめる 紀惟岳 0350 亀の尾の山の岩根を 尋 と めて落つる滝の白玉千代の数かも (0609) 貞保親王 さだやすのみこ の后の宮の五十の賀たてまつりける御屏風に、桜の花の散る下に人の花見たるかたかけるをよめる 藤原興風 0351 いたづらに過ぐる月日は思ほえで花見て暮らす春ぞすくなき (0152) 本康親王の七十の賀のうしろの屏風によみてかきける 素性法師 0353 古へにありきあらずは知らねども千年のためし君に始めむ (0595 0354 臥して思ひ起きて数ふる万世は神ぞ知るらん我が君のため (0596) 良岑経也 よしみねのつねなり が四十の賀に、むすめに代りてよみ侍りける 0356 万代を松にぞ君を祝ひつる千年のかげに住まんと思へば (0597) 内侍のかみの右大将藤原朝臣の四十賀しける時に、四季の絵かけるうしろの屏風にかきたりける歌 0357 春日野に若菜摘みつつ万代をいはふ心は神ぞ知るらん (0613 0358 山高み雲井に見ゆる桜花心のゆきて折らぬ日ぞなき (0619) 秋 0360 住の江の松を秋風吹くからに声うちそふる沖つ白波 (0622) 註:以上二首、『定家八代抄』は作者を躬恒とする。 桜の和歌といえば新古今和歌集「定家の一首」 桜花 咲きにし日より吉野山 空もひとつにかほる白雪 藤原定家 定家がこの歌を詠んだ年の春に西行が亡くなっています。 狩り暮らし たなばたつめに 宿からむ 狩(道楽)ばかりで 七夕に織姫の宿にもこれやしない たなばたつめ 【棚機つ女・織女】 :七夕伝説の織女 天の河原に 我は来にけり 天の河原に 俺は来たのに 親王歌をかへすがへす誦じ給うて 親王はその歌を返す返すつぶやくが、 返しえし給はず それに返せないでいた。 この「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」という業平の和歌は、 渚 なぎさの院という 惟喬親王 これたかしんのうの別荘で開かれた花見の際に作られた作品であることが『伊勢物語』に記され、『古今和歌集』にも収録されています。 はじめて春を知った桜へ ことしより 春しりそむる さくら花 ちるといふ事は ならはざらなむ(49) 紀貫之 【現代語訳】今年はじめて春を知って花をつけた桜花よ、散るということは他の桜に見習わないでほしいものである。 1008 春されば野辺に先づ咲く見れど飽かぬ花まひなしにただに 告 の るべき花の名なれや (1747) 註:大系本、第四句「ただなのるべき」。 春風は 花のあたりを よぎてふけ 心づからや うつろふと見む(85) 藤原 ふじわらの好 よし風 かぜ 【現代語訳】春風は花の咲いているあたりをよけて吹いてくれよ。 交野を狩りて カタノで狩して 天の河のほとりにいたる題にて 天の川のほとりに至るという題で 歌よみて、杯はさせ 歌を詠んで、酌してちょーだい。 かみなかしもみな歌よみけり みなみな歌を詠んだ (ただしコレタカは除く) かみなかしも 【上中下】 :身分の高い人、中の人、低い人。 ㉕『いつしかに 春の名残と なりにけり 昆布干場の たんぽぽの花』 作者:北原白秋 意味:いつの間にか、今年の春も終わりになってしまった。 助動詞「けり」の活用の形と他の助動詞や助詞との繋がり 助動詞「けり」の 已然形「けれ」は、その後に 助詞の「ば」「ど」「ども」が続いて 「ければ」「けれど」「けれども」となることが多いです。 ㉙『くれなゐの 二尺伸びたる 薔薇の芽の 針やはらかに 春雨のふる』 作者:正岡子規 意味:赤いバラの新芽が二尺ほどに伸びている。 【定家八代抄に洩れた主な名歌】 袖ひぢてむすびし水のこほれるを春たつけふの風やとくらん(紀貫之) 世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし(在原業平) わが宿の花みがてらに来る人は散りなむのちぞ恋しかるべき(凡河内躬恒) 【底本】『八代集 一』(奥村恒哉校注 東洋文庫) 【参照】『古今和歌集』(佐伯梅友校注 岩波日本古典文學大系) 以下、大系本と略称。 映画情報 『世の中にたえて桜のなかりせば』 4月1日(金)全国公開 キャスト: 岩本蓮加(乃木坂46) 土居志央梨 郭智博 名村辰 柊瑠美 伊東由美子 徳井優 吉行和子 宝田明 監督:三宅伸行 脚本:敦賀零 三宅伸行 企画・原案:鈴木均 エグゼクティブプロデューサー:宝田明 エンディング曲「 空」all at once Produced by 亀田誠治 c 2021『世の中にたえて桜のなかりせば』製作委員会 作品サイト.

  • 題しらず 読人しらず 0904 ちはやぶる宇治の橋守なれをしぞあはれと思ふ年の経ぬれば (1647 0905 我見ても久しくなりぬ住の江の岸の姫松幾世経ぬらん (1690 0906 住吉の岸の姫松人ならば幾世か経しと問はましものを (1691 0907 梓弓磯辺の小松たが世にか万代かねて種をまきけん (1692) この歌は、ある人のいはく、柿本人麿が也。 世の中に 絶えて桜のなかりせば 世の中に ハナから桜がないほうが 春の心は のどけからまし 春の心は のどかなんでないの のどけからまし:のどかなり+から(ざり)+まし のどかなり 【長閑なり】 :穏やか。 春宮のむまれたまへりける時にまゐりてよめる 典侍藤原因香朝臣 0364 峯高き春日の山に出づる日は曇る時なく照らすべらなり (0584) 巻第八(離別歌) 16首 題しらず 在原行平朝臣 0365 立ち別れいなばの山の峰に生ふるまつとし聞かば今かへり来ん (0729 * 読人しらず 0366 すがる鳴く秋の萩原朝たちて旅ゆく人をいつとか待たん (0730 0367 限りなき雲井のよそに別るとも人を心におくらさんやは (0731) 小野千古が 陸奥介 みちのくにのすけ にまかりける時に、母のよめる 0368 たらちねの親の守りと相添ふる心ばかりは関なとどめそ (0761) 貞辰親王の家にて、藤原清生が近江介にまかりける時に、 餞 むまのはなむけ しける夜、よめる 紀利貞 0369 今日別れ明日はあふみと思へども夜や更けぬらん袖の露けき (0747) 逢坂にて人に別れける時によめる 難波万雄 なにはのよろづを 0374 逢坂の関しまさしき物ならばあかず別るる君をとどめよ (0748) 題しらず 読人しらず 0375 唐衣たつ日は聞かじ朝露のおきてし行けば 消 け ぬべきものを (0749) 常陸へまかりける時に、藤原公利によみて遣はしける 0376 朝なけに見べき君としたのまねば思ひたちぬる草枕なり (0750) 紀宗定 きのむねさだ が 東 あづま へまかりける時に、人の家に宿りて、暁出で立つとてまかり申しければ、女のよみて出だせりける 読人しらず 0377 えぞ知らぬ今心みよ命あらば我や忘るる人やとはぬと (0739) 陸奥 みちのくに へまかりける人によみて遣はしける 貫之 0380 白雲の八重に重なる 遠 をち にても思はん人に心へだつな (0740) 源実 みなもとのさね が筑紫へ湯浴みんとてまかりける時に、山崎にて別れ惜しみける所にてよめる 0387 命だに心にかなふ物ならばなにか別れの悲しからまし (0741) 山崎より神なびの森まで送りに人々まかりて、かへりがてにして、別れ惜しみけるによめる 源実 0388 人やりの道ならなくに大方は行き憂しと言ひていざ帰りなん (0742) 藤原 惟岳 これをか が武蔵介にまかりける時に、送りに逢坂を越ゆとてよみける 貫之 0390 かつ越えて別れも行くか逢坂は人だのめなる名にこそありけれ (0743) 人の花山にまうで来て、夕さりつかた帰りなむとしける時によめる 僧正遍昭 0392 夕暮の籬は山と見えななん夜は越えじと宿り取るべく (0770) 志賀の山越えにて、石井のもとにて物言ひける人の別れける折によめる 貫之 0404 掬ぶ手の雫ににごる山の井のあかでも人に別れぬるかな (0769) 道にあへりける人の車に、物を言ひつきて、別れける所にてよめる 友則 0405 下の帯の道は方々別るとも行きめぐりても逢はんとぞ思ふ (0767) 巻第九(羇旅歌) 7首 もろこしにて月を見てよみける 0406 天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも (0771) この歌は、昔、仲麿を、もろこしに物習はしに遣はしたりけるに、あまたの年を経て帰りまうで来ざりけるを、この国よりまた使まかり至りけるにたぐひて、まうで来なむとて出でたりけるに、明州といふ所の海辺にて、かの国の人、むまのはなむけしけり。 桜を詠んだ和歌ベスト10!時代を超えて詠みつがれる魅力 桜の和歌と言えば「西行」 願わくば 花の下にて春死なむ その如月の望月の頃 西行は、桜の国の桜の名所と言われる吉野に小さな庵を結び、3年間暮らしました。 世の中 は 夢かうつつか うつつとも 夢とも知らず ありてなければ もちろんこれらは、後年、惟喬親王が出家して小野に篭ったという出来事から逆算した無理な理屈づけであるが、小野に篭った親王を訪ねた時の の業平の歌からして、親王の立場を悲運と考えていたのは確かである。 三河国八橋といふ所にいたれりけるに、その川のほとりに、杜若いとおもしろく咲けりけるを見て、木の陰におりゐて杜若といふ五文字を句の頭にすゑて旅の心をよまんとてよめる 在原業平朝臣 0410 唐衣きつつなれにしつましあればはるばる来ぬる旅をしぞ思ふ (0794) 武蔵の国と 下総 しもつふさ の国との中にある 角田川 すみだがは のほとりに至りて都のいと恋しう思ほえければ、しばし川のほとりにおりゐて思ひやれば、限りなく遠くも来にけるかなと思ひて眺めをるに、渡し守「はや舟に乗れ、日暮れぬ」と言ひければ、舟に乗りて渡らんとするに、みな人物わびしくて、京に思ふ人なくしもあらず。 「折り取ってしまえ」と「散るまで待とう」あなたはどっち? ちりぬれば こかれどしるし なき物を けふこそ桜 をらばをりてめ(64) よみ人しらず 【現代語訳】散ってしまったならば、いくら恋い慕ってもかいないのであるから、今日こそは桜の花を折るならば折ってしまおう。 絶えて ・・・ まったく 世の中に一切、桜というものがなかったら、春をのどかな気持ちで過ごせるだろうに 、という歌。 ことならば 咲かずやはあらぬ 桜花 見る我さへに しづ心なし 「咲かずやはあらぬ」で業平の歌の意を押さえ、「しづ心なし」で、古今和歌集の配列上は友則の歌の露払いをしている。 古き大和舞の歌 1070 しもとゆふ葛城山に降る雪の間無く時無く思ほゆるかな (1721) 近江 あふみ ぶり 1071 近江より朝たちくればうねの野に 鶴 たづ ぞ鳴くなる明けぬこの夜は (1722) 水茎ぶり 1072 水茎の岡のやかたに妹とあれと寝ての朝けの雪の降りはも (1723) 註:大系本、第五句「しものふりはも」。 『過去』の助動詞「き」 の活用は、「 せ ・〇・き・し・しか・〇」と 特殊な活用をします。 桜の和歌といえば「良寛も、秀吉も、家康も」 いざ子ども 山べにゆかむ桜見に 明日ともいはば散りもこそせめ 良寛 さあ、子どもたち、花見に行こう。 あけて見れば、詞はなくて、ありける歌 0900 老いぬればさらぬ別れのありといへばいよいよ見まくほしき君かな (1482) 返し 業平朝臣 0901 世の中にさらぬ別れのなくもがな千代ともなげく人の子のため (1483) おなじ御時、上のさぶらひにて、男どもに大御酒給ひて大御遊びありけるついでにつかうまつれる 敏行朝臣 0903 老いぬとてなどか我が身を 責 せめ きけん老いずは今日に逢はましものを (1453) 註:大系本、第五句「あはまし物か」。 これらの内容のまとまりを区切る助動詞の特徴は、事実 過去の出来事 かまたは事実でなく心の中で思ったこと 推量または意志 なのかを表わすという点です。 さくらさくらさくら 咲き初め咲き終わり 何もなかったような公園 俵万智 桜が咲いた、桜が散ったとその時その時の感慨があるのに、今は何事もなかったように静まり返る公園があるだけ。 あなたは春を恨むことができるだろうか さく花は 千くさながらに あだなれど たれかははるを うらみはてたる(101) 藤原 ふじわらの興 おき風 かぜ 【現代語訳】美しく咲く花は種類も多く、どれもこれも皆はかなく移り気なものであるが、それでも、いったい誰がそんな春を恨むだろうか。 在原業平は、平城天皇の皇子 阿保親王 あぼしんのうの五男であり、 在原行平 ありわらのゆきひらの弟になります。 修辞法:「ひさかたの」は「天」を導く枕詞 ㉒『春の園 紅(くれない)にほ(お)ふ(う) 桃の花 下照る道に 出て立つを(お)とめ』 作者:大伴家持 意味:春の園の、紅に色づいた桃の花の下は照り輝くばかり。 狩は懇にもせで 狩はそっちのけで ねもころ (ねんごろ)【懇】 :心をこめて。 桜の和歌といえば古今和歌集「あまりに有名な二首」 世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし 在原業平 もし、世の中に桜の花がないならば、春を過ごす人の心はどんなにのどかなことでしょう。 「黒=原文」・ 「赤=解説」・ 「青=現代語訳」 作者:在原業平(ありわらのなりひら) 渚院にて桜をよめる 世の中に 絶えて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし 絶え=ヤ行下二段動詞「絶ゆ」の連用形 なかり=形容詞「無し」の連用形 せ=過去の助動詞「き」の未然形、接続は連用形。 満開の桜をたたえる この世の中にまったく桜の花がなかったならば 世の中に たえてさくらの なかりせば 春の心は のどけからまし(53) 在 あり原 はらの業 なり平 ひら朝 あ臣 そん 【現代語訳】この世の中にまったく桜の花がなかったならば、慌ただしく散ることもなく春はのどかであろうに。 世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心は のどけからまし となむよみたる。 『過去・詠嘆』の助動詞「けり」の意味・使い方 用法 現代語訳 助動詞「けり」の語源は、カ変動詞の「来 く 」の連用形にラ変動詞「あり」の付いた「きあり」の変化したものだといわれています。 冬 0363 白雪の降りしく時はみ吉野の山下風に花ぞ散りける (0567) 註:この歌、『定家八代抄』は作者を貫之とする。 親王ののたまひける、 交野を狩りて、天の河のほとりにいたる題にて、歌よみて杯はさせ とのたまうければ、 親王に馬頭おほみきまゐる 親王に馬が酒を酌しに参る。 雪の降りけるを見てよめる 紀友則 0337 雪降れば木ごとに花ぞ咲きにけるいづれを梅とわきて折らまし (0560) 寛平御時后宮の歌合の歌 読人しらず 0340 雪降りて年の暮れぬる時にこそつひに紅葉ぢぬ松も見えけれ (0570) 年のはてによめる 春道列樹 0341 昨日といひ今日と暮らして明日香川流れて早き月日なりけり (0572) 巻第七(賀歌) 17首 題しらず 読人しらず 0343 我が君は千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで (0585 0345 しほの山さしでの磯に住む千鳥君が御代をば八千代にとぞ鳴く (0591) 仁和の御時、僧正遍昭に七十の賀給ひける時の御歌 0347 かくしつつ兎にも角にも永らへて君が八千代に逢ふ由もがな (0592) 、みこにおはしましける時に、御をばの八十の賀に 銀 しろがね の杖につくれりけるを見て、かの御をばに代りてよめる 僧正遍昭 0348 ちはやぶる神のきりけんつくからに千年の坂も越えぬべらなり (0593) 註:大系本は第二句「神やきりけん」。 Sponsored Links 『 世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心は のどけからまし 』 聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。 交野を狩りて、 かたのをかりて、 かた野をかりて 天の河のほとりにいたる あまのがはのほとりにいたる あまの河にいたる 題にて、歌よみて杯はさせ をだいにて、うたよみてさかづきはさせ、 を題にてうたよみて。 あひ知れりける人の身まかりにける時によめる 壬生忠岑 0835 ぬるがうちに見るをのみやは夢といはん儚き世をも現とは見ず (0639) 姉の身まかりにける時によめる 0836 瀬をせけば淵となりても淀みけり別れをとむるしがらみぞなき (0645) 藤原忠房の昔あひ知りて侍りける人の身まかりにける時に、弔ひに遣はすとてよめる 閑院 0837 先立たぬ悔の 八千度 やちたび 悲しきは流るる水のかへり来ぬなり (0646) 紀友則身まかりにける時よめる 貫之 0838 明日知らぬ我が身と思へど暮れぬ間のけふは人こそ悲しかりけれ (0647) 忠岑 0839 時しもあれ秋やは人の別るべきあるを見るだに恋しきものを (0688) 父が思ひにてよめる 0841 藤衣はづるる糸はわび人の涙の玉の緒とぞなりける (0684) 思ひに侍りける年の秋、山寺へ罷りける道にてよめる 貫之 0842 朝露のおくての山田かりそめに憂き世の中を思ひぬるかな (0685) 諒闇の年、池のほとりの花を見てよめる 篁朝臣 0845 水の面にしづく花の色さやかにも君がみかげの思ほゆるかな (0648) 深草の帝の御国忌の日よめる 文屋康秀 0846 草深き霞の谷にかげかくし照る日の暮れし今日にやはあらぬ (0649) 深草の帝の御時に、蔵人頭にて夜昼なれつかうまつりけるを、諒闇になりにければ、さらに世にもまじらはずして、比叡の山に登りて、かしらおろしてけり。 ㉓『宿りして 春の山辺に ねたる夜は 夢の内にも 花ぞちりける』 作者:紀貫之 意味:旅先で一泊して、春の山中に寝た夜は、夢の中でも盛んに花が散ったことだ。 をりとらば をしげにもあるか 桜花 いざやどかりて ちるまでは見む(65) よみ人しらず 【現代語訳】桜の花は折りとるならば、惜しそうにも思われることである。 東歌 あづまうた みちのくの歌 1087 阿武隈 あぶくま に霧立ちわたり明けぬとも君をばやらじ待てばすべなし (1733 1088 みちのくはいづくはあれど塩竃の浦漕ぐ舟の綱手悲しも (1734 1089 わがせこを都にやりて塩竃のまがきの島のまつぞ恋しき (1735 1090 をぐろさきみつの小島の人ならば都のつとにいざと言はましを (1736 1091 みさぶらひ御笠と申せ宮城野の 木 こ の下露は雨にまされり (1737 1092 最上川のぼれば下る 稲舟 いなふね のいなにはあらずこの月ばかり (1738 1093 君をおきてあだし心を我が持たば末の松山波も越えなん (1739) 相模歌 1094 こよろぎの磯たちならし磯菜摘むめざし濡らすな沖にをれ波 (1740) 常陸歌 1095 筑波嶺 つくばね の 此面彼面 このもかのも に陰はあれど君が御陰にます陰はなし (1741 1096 筑波嶺の嶺の紅葉葉おち積もり知るも知らぬもなべて悲しも (1742) 甲斐歌 1097 甲斐が 嶺 ね をさやにも見しかけけれなく横ほり臥せる 小夜 さや の中山 (1743 1098 甲斐が嶺を根越し山越し吹く風を人にもがもや言伝てやらん (1744) 伊勢歌 1099 おふの浦に 片枝 かたえ さし覆ひなる梨のなりもならずも寝て語らはん (1745) 冬の賀茂の祭の歌 藤原敏行朝臣 1100 ちはやぶる賀茂の社の姫小松万代 経 ふ とも色はかはらじ (0598) 更新日:平成17年03月03日 最終更新日:平成22年02月28日 ||.

そんなにモテたの!? 平安時代きってのプレイボーイ 在原業平の魅力とは

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